札幌の法律事務所|廣済堂札幌カントリー倶楽部の民事再生手続について

札幌|弁護士法人 佐々木総合法律事務所(札幌弁護士会所属)
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番外編 廣済堂札幌カントリー倶楽部の民事再生手続に異議あり

ご報告 平成22年6月7日

(平成21年12月3日開催の理事会におけるやりとり、本年6月6日開催の債権者説明会の質疑応答等)

  1. 私は、株式会社廣済堂札幌カントリー倶楽部が、東京地方裁判所に民事再生手続開始申立を行ったことについて怒りを禁じ得ない。

    なぜなら昨年12月3日に開催された廣済堂札幌カントリー倶楽部の理事会において、株式会社廣済堂札幌カントリー倶楽部の株式譲渡の事実が報告された際に、理事である私が、「法的整理の予定はありますか?」と質問したのに対して、廣済堂開発株式会社の石田利夫社長、株式の譲受会社である合同会社ケイ・アンド・ケイから運営を委託されたライオンゲイン株式会社の飯田活海社長の2人が声を揃えて、「そんなことは全くありません。」と笑顔で否定しており、このやりとりは同席した理事も職員も全員で確認しているからである。

    私も含めて、全理事は、石田利夫社長と飯田活海社長の言葉を信じて安心していたのであり、今回の民事再生手続開始申立は、まさに騙し討ちとしか言いようのないものである。
  2. 昨日、6月6日午後1時から債権者説明会が開かれたが、会社側の準備した資料も説明内容も極めて不十分であり、質問に対する回答も会員が納得できるようなものではなく、約2時間半の長時間に及んだが、会員の不信感はますます増幅したように感じた。

    私は、幾つかの質問をしたが、そのうちの一つは、「株式譲渡の際に、預かり入会金の取扱について、廣済堂とケイ・アンド・ケイの間でどのような合意があったのか?」という内容である。
    私の質問に対する申立代理人の回答は、「合意はない。」という内容であった。   

    しかし、ケイ・アンド・ケイが株式を購入した株式会社廣済堂札幌カントリー倶楽部は、償還期限が直前に迫っている45億円の預かり入会金債務を負っていたわけであり、売る側と買う側が、会社の存亡を左右する預かり入会金債務の処理について協議しないはずがないではないか。   

    当然、「償還期限が到来した時点で、そのうち何割ぐらいの会員が返還を求めるものと予測されるか」、「償還期限の延長をどのように行うか」などという協議を行い、不動産等の資産評価と同様に預かり入会金対応について緻密な査定(デューデリジェンス)が行われたはずであることは、誰でも分かることである。

    この回答内容からだけでも、会社側が事実を隠していること、最初から民事再生申し立てありきの出来レースであったことは、説明会に参加した会員は直感したことと思う。
  3. 株式売買の経緯が実に不透明であることもさることながら、今回の民事再生手続開始申立は法的にも疑問がある。

    再生手続の開始原因は、(1)債務者に破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあること(民事再生法21条1項前段)、または、(2)債務者が事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないこと(同項後段)であり、(1)の破産手続開始の原因となる事実には、破産法により、「支払不能」と「債務超過」の2つがある。

    説明会において会社側から渡された清算貸借対照表によれば、資産合計額は約47億円であり、負債合計は82億円となっているが、固定負債とされている長期借入金約31億円は、全額合同会社ケイ・アンド・ケイの全持分を保有している合同会社JSGキャピタルが有している債権であり、金融機関からの借入は全くない。合同会社JSGキャピタルと合同会社ケイ・アンド・ケイは実質的に一体であり、合同会社ケイ・アンド・ケイが株式会社廣済堂札幌カントリー倶楽部の全株式を所有している以上、今回の一連の株式売買の経過からしても、合同会社JSGキャピタル、合同会社ケイ・アンド・ケイ、株式会社廣済堂札幌カントリー倶楽部は、同一とみなすのが常識的であり、合同会社JSGキャピタルの債権はゼロまたは預かり入会金債権に劣後するものとして取り扱うべきであろう。

    そうなると、負債合計は82億円―31億円=51億円となり、さらに預かり入会金については、会員全員が直ちに全額の償還を求めているわけでもないので(会社側の説明では、すでに支払った金額は僅か6000万円程度で、平成24年までに支払い予定のものも5億円程度ということであった。)、実質的な預かり入会金債務の額は大幅に減額して考えるべきであろう。

    会社側が、会社の実情を説明し、訴訟提起した会員とも訴訟上の和解を試みるなどして、償還期限を延長する努力をすれば、預かり入会金債務については十分対応可能なはずであり、実際、私が関与している他のゴルフ場においては、全職員が一丸となって、会員に対して平身低頭して会員権の分割、分割払いなどのお願いをすることによって、訴訟沙汰になることもなく解決してきたが、残念ながら最近の廣済堂札幌カントリー倶楽部がこのような努力をしているようには思えない。
  4. 以上のとおり、実体的かつ常識的に見れば、株式会社廣済堂札幌カントリー倶楽部は、実際には債務超過でもないし、合同会社JSGキャピタル、合同会社ケイ・アンド・ケイという立派なスポンサーがついていることや、上記のとおり各種対応策があることからすれば、償還期限が到来した預かり入会金の支払いについても支払不能とはいえないものと考える。

    私は、今回の株式会社廣済堂札幌カントリー倶楽部の民事再生手続開始は、昨年からの一連の経緯に照らしても、非常に疑問があると考えており、民事再生申立の関係書類や関係会社の資料を出来る限り多く集めて疑問点をまとめたうえで、法的だけではなく社会常識に基づいた主張を検討し、東京地方裁判所に対して、会員を犠牲にした安易なゴルフ場転がしを絶対に認めないようにとの意見を申し述べる予定である。

    私の事務所も倒産事件を多数扱っており、現在も札幌地方裁判所に民事再生事件が係属しているが、裁判所はよほどのことがない限り「開始決定」までは出すのが通例であるから、今回も近日中に開始決定は出されると思う。しかし別段慌てる必要はなく、最終的に、債権者である我々会員が再建計画案を認めるかどうかの判断を行うなどした後で、民事再生手続が終結するまでには、まだ十分な時間があるので、弁護士としてではなく一会員としての立場で焦らず戦っていく予定である。進行状況や入手した関係資料は差し支えのない範囲で、ホームページに連載していくので、会員の皆様におかれても、最後まであきらめずに、是非私と一緒に戦って頂きたい。
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