取扱業務
個人の債務整理について【過払い金】
- 最近の過払い金請求の状況について
債務整理を行う際には、まず、債務額を調査して確定することになりますが、調査の結果、過払い金が生じた場合には、消費者金融業者に対して過払い金の返還を求めることになります。
一昨年ぐらいまでは、消費者金融業者も経営的に体力があり任意の交渉の中で過払い金の返還について応じることが多かったのですが、昨今、多数の過払い請求がなされていることにより、消費者金融業者の経営が圧迫され、中小の消費者金融業者の中には廃業したりするところも出てきています。
そのため、昨今では、業者は任意の交渉での返還にはなかなか応じなかったり、返還に応じる姿勢を示しても、返還額の大幅な減額を求めたり、長期にわたっての分割払いを求めることが多くなっています。メガバンクの傘下に入っているアコム、プロミスはどうにかしのいでいるが独立系のアイフルと武富士は昨年末、借金を約束どおり返せない「債務不履行」の状態に入ったとさえ報道されています(中央公論平成22年5月号202頁)。
この場合には、訴訟を提起することになり、実際、全国的にみても過払い金の返還を求める訴訟の件数はかなり増大しています。
ただし、せっかく訴訟を提起して判決をとっても、業者に差し押さえる財産がなければ費用と労力が無駄になってしまいます。金額としては少なくなっても消費者金融が任意に支払ってくれる方が債権回収としては確実な場合もありますので、過払い金について減額し、また、分割にも応じる必要があります。
いずれにしろ、業者の資力を考慮して、訴訟を提起して判決を取得しても回収が可能かどうかを検討の上、訴訟を起こすかどうか決めることになります。
■過払い金についての詳しいご説明はこちら
- 過払い金分の報酬について
文藝春秋2010年5月号321頁で、日本弁護士連合会の新会長である宇都宮健児弁護士が次のように嘆いています。
当事務所では、もともとの借財の金額+過払い金額を経済的利益とみなし、廃止前の札幌弁護士会報酬規程に従って協議の上決めさせていただいております。
「広告をやたらと出すような弁護士事務所の中には、2004年に弁護士手数料が自由化されたこといいことに、依頼者に返還されるべき過払い金の5割、ひどい場合には8割もの高率の報酬をとるようになってしまったのである。」
たとえば、A社に対する借財が50万円残っていたが、A社に取引履歴の開示を求めて計算し直したところ、過払い金が150万円戻ってきたという場合は、50万円+150万円の合計200万円が経済的利益となり、廃止前の札幌弁護士会報酬規程によれば報酬金額は32万円になります。
当事務所のこれまでの過払い金に関する報酬額は、正式な統計データーはありませんが大体戻ってきた過払い金の約2割というところが一つの目安になっております。
なお、本年2月に日弁連において「債務整理事件処理の規律を定める規程」と同規程施行規則が制定されており、本年4月1日から施行されております。
規程によれば過払金報酬金の上限は次のとおりです。
訴訟によらない場合 回収した過払金の20% 訴訟による場合 回収した過払金の25%
