取扱業務
個人の債務整理について【自己破産】
- 自己破産とは
破産手続とは、多額の借金などにより経済的に破綻してしまい、自分の持っている資産では全ての債権者に対して完全に弁済することが出来なくなった場合に最低限の生活用品などを除いたすべての財産を換価して、全債権者にその債権額に応じて公平に弁済することを目的とする裁判上の手続きです。当事務所は、札幌を中心に北海道の多くの依頼者の自己破産の業務をお受けして参りました。
自己破産申立後、債務者名義の不動産や車、その他特に財産価値があるものは手放すことになります。また、自己破産申立前に購入した商品は、返却を求められる場合があります。配当すべき財産のない債務者の場合には、配当を行う破産手続をすぐに終了する同時廃止という手続きになり、実際には、同時廃止事件が多数を占めます。配当のなかった債務に関しては、裁判所が支払義務を免除する免責の手続を行います。
自己破産手続きをしている期間は、警備員・保険外交員などに就くことが規制されています(但し、免責許可決定の確定により、そのような制限もなくなります。)。
一度自己破産申立てを行い、債務の整理をすると、今後7年間免責を受けることは 困難になります。しかし、選挙権がなくなることはありませんし、破産の事実が戸籍や 住民票に掲載されたり、破産者の親族が影響を受けたりすることはありません。また、銀行の普通預金口座も使えなくなるというようなこともありません。
自己破産手続の流れ 受任通知の発送 → 債権調査 → 申立の準備 → 自己破産申立 → (自己破産申立後、提出した書類について裁判所が精査・審尋を行います。) → 破産決定 → 免責決定 → 免責確定
自己破産Q&A
- Q1
- 自己破産をすると、戸籍・住民票に記載されますか?
- A1
- 記載されません。
- Q2
- 自己破産をすると、年金に影響が生じますか?
- A2
- 年金の受給権に影響は生じません。
- Q3
- 自己破産の事実が会社に知れてしまった場合、解雇されますか?
- A3
- 会社が解雇することは許されません。
会社は、従業員が自己破産をした事実を知ったとしても、それのみを理由として解雇することは認められません。
- Q4
- 自己破産をすると、車は手放さなくてはなりませんか?
- A4
- 車の年式が古く、査定価値がきわめて低額の場合には、車の維持が認められる場合があります。自己破産をしても、車をそのまま所持できるケースは多数あります。
但し、車は原則として価値のある財産とされており、車の所持が認められるか否かは個別具体的な事情の検討が必要となりますので、詳細は弁護士へ相談して下さい。
なお、車のローンが残っており、車の所有権がローン会社に留保されている場合には、ローン会社により車が引き揚げられてしまいますので、この場合には、車を維持することはできません。
- Q5
- 自己破産をすると、銀行口座を利用することはできなくなりますか?
- A5
- 銀行口座は利用できます。
よって、月々の給与の振込や、電気・水道代等の支払は、銀行口座を利用できます。
なお、銀行系の業者の場合、銀行口座が凍結される場合もありますが、その場合でも、他の銀行等の口座開設は何ら差し支えありません。
- Q6
- 同時廃止手続とは何ですか?
- A6
- 破産手続きは、大きく分けて管財事件と同時廃止事件の2つに分類できます。
そもそも、破産手続は、破産者の財産を換価し、そのなかから債権者への配当を行うことを目的とする手続きです。
よって、裁判所は、破産手続開始決定と同時に破産管財人を選任し、破産管財人による破産者の財産の調査、換価、配当手続が行われます。
しかしながら、借金トラブルで苦しんでいる人々の大半は、配当すべき財産など有していないというのが現状です。
そこで、破産申立の時点で、破産者にめぼしい財産がないことが明らかな場合には、配当を行うための原資が見込まれない以上、破産管財人を選任する必要がなく、破産手続の開始と同時に、破産手続を終了させることができます。
このことを「同時廃止手続」といいます。
同時廃止手続は、破産法上は、あくまで例外的な手続ですが、実際は、個人の自己破産の場合、多くのケースが同時廃止手続として処理されています。
- Q7
- 自己破産をすると、引越しはできなくなりますか?
- A7
- 同時廃止手続のケースでは、引越しをすることに制限はありません(但し、引っ越しについては弁護士にはしっかりと説明・報告してください。)。
管財手続のケースでは、破産手続が終了するまでは、引越しをするには裁判所の許可が必要です。破産手続終了後は、引越しをすることに制限はありません。
- Q8
- 自己破産すると職業上の資格制限を受けることはあるのでしょうか?
- A8
- 職業(資格)制限はあります。ただし、職業制限を受けるのは、免責決定の確定までです。
【主な職業上の資格制限】
宅地建物取引業者および主任者、生命保険募集人および損害保険代理店、警備業者および警備員など
※株式会社の取締役・監査役は、破産すると会社との委任契約が終了する(会社法330条、民法653条2号)ので、原則としてその地位を失うことになります。もっとも、会社法の改正に伴い、破産は欠格事由ではなくなりましたので、再度株主総会決議で選任を行うことにより、取締役・監査役の地位に就くことができます。
有限会社や持分会社の場合には、例外もあります(会社法593条4項5項等)ので、弁護士にご確認下さい。
【身分上の資格制限】
後見人、成年後見監督人、保佐人、遺言執行者
- Q9
- 自己破産の申立てから免責決定の確定までどれくらい時間がかかるのでしょうか?
- A9
- 免責不許可事由の調査の必要性や、裁判所の状況によって異なりますが、札幌地方裁判所の場合、同時廃止手続のケースでは、自己破産の申立てから3ヶ月~6ヶ月程度で免責決定が出るのが一般的といえます。
整理手順一覧表(借金が500万円あった場合の例)
| 任意整理 | 自己破産 | 個人再生 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 借金はどうなるか | 500万円 | 500万円 | 500万円 | ||
| 利息制限法による 引き直し計算後 300万円(例) |
利息制限法に よる引き直し計算後 500万円未満 |
||||
| 返済総額300万円 | 返済総額0円 | 返済総額100万円 | |||
| 毎月の返済額は | 5万円から 8万円程度 |
0円 | 2万円から 3万円程度 |
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| 期間はどの位かかるか | 3年から5年 | 半年程度 | 3年から5年 | ||
| 情報センターへの登録 (ブラックリスト) |
ある | ある | ある | ||
| 官報への掲載 | ない | ある | ある | ||
| 住宅ローンは | 返済継続 | 返済停止 | 返済継続 | ||
| 住宅の所有 | できる | できない | できる | ||
| 免責不許可事由があるか | ない | ある | ない | ||
| 職業の制限はあるか | ない | ある (一定の期間) |
ない | ||
| 所有権留保物件は (ローンが残っているもの) |
別途相談 | 所有不可 | 原則所有不可 | ||
| 手続主体 | 弁護士 | 裁判所・弁護士 | 裁判所・弁護士 | ||
| 手続きの難易度 | 比較的簡易 | 複雑 | 複雑 | ||
| 弁護士費用 | 債権者1社につき 3万円 (目安として) |
20万円から30万円で 手続きの難易度に 応じて判断 |
30万円から50万円で 手続きの難易度に 応じて判断 |
||
